家族信託を支援する立場から考えていること
筆者は、いわゆる「家族信託」を作る支援を行う仕事をしています。本稿では、その業務を通じて感じていることを読者の皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
筆者がお伝えしたいことは、親から子そして孫へと受け継がれていく資産を「家族の財産」と位置づけ、その財産の管理と運用はミドル世代が中心となり、その戦略を考えて対応していくことが必要ということです。
ミドル世代とは40歳代から60歳代前半ぐらいまでの年齢帯の方をイメージしています。
ミドル世代のうち、40歳代から50歳代半ばくらいまでの方々は、両親の相続のことや、介護のことなどが気になっている方が多いと思います。
また、50歳代後半から60歳代前半くらいまでの方は、親の相続を経験した方、両親のうち片親の相続を経験し今は生存する片親の生活の世話や財産管理のサポートをしているといった方が多いのではと思っています(筆者は両親を30歳代前半に亡くました。このように早い時期に親を亡くした方もいらっしゃって、すべての方がこのような状況にあるとは限りませんが)。
多くのミドル世代は高齢になった親のこと何らかに関わる時間が長くなってきていると考えられます。結婚しているミドル世代ならば、自身の親のことに加えて配偶者の親のことにも関わっている方もいるでしょう。