前回(親に「持っている?」と確認を…相続時モメ事が生じやすい“2大資産”とは)、家族の財産を守り継承していく40~60歳代のミドル世代の中でも、50歳代にフォーカスし、親の財産を守り受け継ぐための戦略の考え方を解説しました。
しかし、せっかく戦略を考えたとしても、そもそも親がどんな財産を持っているか把握しないことには、財産管理・運用は現実のものになりません。
今回は、ミドル世代の親の財産について、親から財産の情報を開示してもらうには何から始めていけばよいか。不要なトラブルを避けて円滑に話し合うための工夫について解説したいと思います。
準備なしの相続はのちのトラブルの種に…
子は親をサポートしてあげたい、親は子に迷惑をかけたくないという気持ちがあるにもかかわらず、財産の話し合いにおいては、その思いを通じ合わせることはなかなか難しいようです。
しかし、高齢になっていく親が所有する財産は、あらかじめの準備がないとのちのち子が困ることになります。例えば、財産の管理や処分に関する手続きが滞り、財産所有者の親の生活に影響がでることもあるかもしれません。また、親の相続によって兄弟姉妹でモメ事が生じるということも起こり得ます。
では、そのようなトラブルが生じないようにするために、まずは何から取り掛かればよいのでしょうか。4つのポイントを中心にお伝えします。