ワンルームマンション投資は「父の弱みが出てしまったのだろうと思います」

事務所に現れた母の恵美子さんと娘の由佳さん。ずっと専業主婦だったという恵美子さんは、趣味のよい上品な出で立ちです。FPとはどんなものか分からず、やや緊張している様子です。一方、娘の由佳さんはキャリアウーマンという感じで、恵美子さんをリードしています。

挨拶を済ませたあと、話の口火を切ったのは由佳さんでした。

「ご連絡したとおり、父が買ったワンルームマンションについてご相談したくて。母も私も不動産投資なんてまるで縁がなく、何の知識もないものですから。私と妹は、これからは母に落ち着いた生活をしてほしいと思っていたのです。父は営業マン気質で人付き合いがよく、脇の甘いところがあります。今回のワンルームマンション投資も、そんな弱みが出てしまったのだろうと思います」

すると、恵美子さんは

「私たちは転勤で一度もマイホームに住んだことがないのに、投資用マンションでローンを組むなんて。とてもショックでした」

と肩を落としました。

お2人の話では家族に責められた亮介さんは、よく考えずにワンルームマンション投資を始めてしまったことを反省しているそうです。恵美子さんはじめ、ご家族は物件の売却を希望していますが、それは可能なのでしょうか?

後編では、家計や投資用マンションの収支を検証していきます>>