多くの人にとって、マイホーム取得は一生に一度の大イベント。ライフスタイルに合った、こだわりの家を建てたいと思う人もいるでしょう。ですが、子育て中の場合、住宅ローンの返済と教育資金準備を並行していかなければなりません。
今回は子ども3人のご家庭が住宅取得によって“ピンチ”に陥ったケースを紹介します。
相談者は一部上場企業に勤めるサラリーマン
相談者の大竹直樹さん(仮名)は、一部上場企業に勤務する35歳の男性です。3歳年下の妻のめぐみさん(仮名)は専業主婦で、2人の間には5歳、3歳、1歳の3人のお子さんがいます。
大竹さんは一昨年、念願のマイホームを手に入れました。
ところが、新居での生活がスタートしてしばらくすると“ある理由”によって、毎月の家計が赤字になり、ボーナスで補填するように……。
子どもは全員就学前。教育費がかかるのはこれからです。それなのに今から毎月家計が赤字では、この先子どもたちの教育費はどうなるのでしょうか。自分たちだけで解決するのは無理だと考え、FPに相談することにしたのです。
FP事務所に現れたのは幸せそうな親子
約束の時間に事務所に現れた大竹さんご夫妻。めぐみさんは1歳の次女・萌ちゃん(仮名)を抱っこしています。上の2人はめぐみさんの実家に預けてきたとのこと。小さいお子さんのいるご家庭のFP相談は、お越しいただくだけでも一苦労なのです。
「3人きょうだいの一番下のせいか、手がかからなくて。周りが騒がしくても眠くなれば眠ってしまうんですよ」とめぐみさん。優しく温厚な雰囲気ながら、3人の育児で培った芯の強さも感じられます。
大竹さんはめぐみさんと萌ちゃんが座る様子を確認してから、自分も席に着きました。ご夫婦はたびたびアイコンタクトを取り合い、仲の良さが伝わってきます。大竹さんは上場企業の管理部門に勤務するだけあり、「家計が赤字」とは無縁そうに見える、思慮深そうな人です。