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今から6年前、EUを巡り大事件が起きました。国民投票によりイギリスがEU離脱を決定したのです。「ブレグジット」とも呼ばれ、イギリスのEU離脱決定のニュースに市場は大きな混乱に包まれました。
当時、日経平均株価は過去8番目に大きな下落幅を記録します。今日はブレグジット下における株式と為替の値動きを振り返りましょう。また、ブレグジットに揺れる「北アイルランド問題」についても解説します。
国民投票でまさかの決定! EU離脱で市場は大混乱
ブレグジット(Brexit)とは英国を意味する「Britain」と離脱を意味する「exit」を掛け合わせた造語です。イギリス国内でEUに対する不満があったことから、2013年1月に当時のキャメロン政権がEU離脱を問う国民投票の実施を宣言し、イギリス国内でブレグジットの機運が高まりました。
もっとも、キャメロン元首相自身はブレグジットに否定的でした。イギリス国民がEU残留を選択しやすいようEU側と交渉を始め、2016年2月にはEUから一定の譲歩を引き出すことに成功します。また投票の前日には「離脱することになればもう後戻りできない」と呼び掛けていました。
しかしブレグジット派の勢いは想像以上で、国民投票では離脱派が僅差で勝利を収めます(離脱:残留=52:48)。敗れたキャメロン元首相は国民投票の翌日に首相を退く意向を表明し、同年9月には議員辞職しました。
イギリスのEU離脱決定のニュースは6月24日の正午すぎに日本に伝わります。市場にはヘッジファンドなど短期筋を中心に売りが集まり、日経平均株価は1万5000円を割り、ドル円は一時99円台を記録しました。
【日経平均株価の推移】
【ドル円の推移】