そもそもEUとは?

ヨーロッパ地域では隣接する国同士で絶えず戦争を繰り返し、時には立ち直れないほど甚大な被害が生じてきました。この教訓からヨーロッパの統合を目指し誕生したのがEUです。

まず1952年に、それまで戦争の火種となっていた石炭や鉄鉱石の共同管理を目指す「ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)」が発足しました。1958年には経済の統合を目指す「EEC(欧州共同体)」と、原子力エネルギーの共同管理を目指す「EURATOM(欧州原子力共同体)」も生まれます。この3つの共同体は1967年に「ECs(欧州共同体)」に統合され、1993年に現在の「EU(欧州連合)」となりました。

EUは2009年に発効した「リスボン条約」に基づき、加盟国に国家の枠組みを超えてルールを適用します。その代わりEU域内ではヒトやモノの移動に制限がなく、加盟国は往来や経済活動を自由にできるメリットを享受できました。

ただしEUは大国ほど加盟の負担が重くなるデメリットがあります。EUの歳入は加盟国から支払われる拠出金が多くを占めますが、拠出金はGNI(国民総所得)に比例して大きくなる仕組みのため、経済規模の大きいイギリスにとっては負担が重くなりやすい面がありました。イギリスがEU離脱を選択した理由の1つだと考えられています。