60歳でリタイアする人は14.4% 働いている間はiDeCoの掛金拠出を
2022年「高年齢者の雇用状況」によると、65歳までの雇用確保措置は調査対象企業の99.9%が実施しています。その雇用確保措置の内容としては、継続雇用制度の導入が76.4%、定年の引き上げが20.9%、定年制の廃止は2.7%となっています。
個々人の行動という点にも変化がみられます。定年到達者の85.5%が継続雇用を選択しており、定年による退職は14.4%と限定的です。高年齢者雇用確保措置がスタートした2006年ごろと比べると、様変わりしているといえるでしょう。
一方、DCの状況をみると、企業型DCの資格喪失年齢を引き上げた企業は、2021年3月末時点で下記の通りとなっています。
1,346規約(全規約数:6,608)
10,893社(全事業所数:38,328)
ただし、60代の加入者数は企業型DC全体加入者の0.5%にすぎません。現状では、iDeCoの活用が60代前半のDC活用法として現実的といえるでしょう。
2022年10月からは企業型DC加入者がiDeCoの同時加入を選択できるようになります。また、法改正により受取開始時期は従来の70歳から75歳まで引き上げられ、公的年金の繰り下げ受給も75歳まで引き上げられます。
選択肢がより複雑になる中、「受給」も含めた相談体制が整っていることも、iDeCoの金融機関を選択するポイントといえるでしょう。