テレビ業界って実は苦しい?

話を日本のテレビ業界に戻しましょう。華やかなイメージがあるテレビ業界ですが、その台所事情は意外に厳しいのかもしれません。「テレビ東京ホールディングス(テレビ東京)」を除き、主要な広域テレビ事業者の売上高は5年前より減少しています。

特に「フジメディアホールディングス(フジテレビジョン)」の減少幅は大きく、5年で2割以上の売り上げを失いました。2021年11月には4年ぶりに早期退職者の募集を発表していることから、危機感も相当ありそうです。

【売上高の推移(不動産に関連する事業を除く)】

※「テレビ東京ホールディングス」は不動産に関連する事業がない

テレビ業界の苦戦には私たちの「テレビ離れ」があるでしょう。インターネットが台頭し、私たちはテレビに頼らなくても多くの情報を集められるようになりました。視聴者の減少はテレビ広告の魅力の低下を意味しており、業界の低迷の一因になっていると思われます。

もっとも、インターネットの情報はあまり信頼されていないようです。総務省「情報通信白書(令和元年版)」によると、メディアの信頼度はインターネットよりもテレビのほうが1.7~3.0倍も高くなりました。テレビ業界復活の鍵は情報の信頼度にあるかもしれません。

【メディア別の信頼度】

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。
AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。