ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)

暗号資産はビットコインだけではありません。主要銘柄である「イーサリアム」と「リップル」の概要について確認しましょう。

・イーサリアム(ETH)

ビットコインに次ぐ規模を持つ暗号資産です。正確にはアプリケーションなどの開発プラットフォームをイーサリアムといい、イーサリアム上で用いられる仮想の通貨を「イーサ」といいます。

ビットコインは主に決済手段として用いられますが、イーサリアムは開発プラットフォームとしての需要があります。多くのアプリケーションやサービスがイーサリアム上で開発されているほか、イーサリアムの規格を利用して多くの新しい暗号資産が生まれました。

2017年2月には、イーサリアムのビジネスシーンへの応用を目指す企業連合「EEA(エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス)」がニューヨークで発足しました。初期メンバーにはマイクロソフトやJPモルガンなど、世界的な大企業が名を連ねています。同年5月には日本からトヨタの研究開発子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」や「三菱UFJフィナンシャルグループ」が参加しました。

・リップル(XRP)

リップルは国際送金が抱える課題解決を目指す暗号資産です。従来の海外への送金は手数料が重く、さらに着金が遅いという課題がありました。リップルなら約0.001ドルの手数料、約3.6秒の速さで送金できるとされています。「ブリッジ通貨(※)」として使えば従来よりも安く、かつスピーディーに送金できるでしょう。

※ブリッジ通貨:「日本円⇔リップル⇔米ドル」のように、通貨の間に立って送金の橋渡しを行う通貨

リップルの送金ネットワークを「リップルネット」といい、世界55カ国以上の国で、120以上の金融機関や決済サービス事業者が参加しています。国内ではSBIグループの「SBIレミット」が参加し、2021年7月に日本で初めて暗号資産を用いた国際送金サービスに乗り出しました。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。
AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。