近年人気の海外レバレッジ型には注意が必要
なお、この約定価格決定の一連のメカニズムは、レバレッジ型(ブルベア型)についても同じである。レバレッジ型とは商品先物取引などを活用し、レバレッジ(てこの原理)を効かせ、投資資金の何倍もの投資効果を追求する投資信託のこと。基準価額の値動きが荒く、非常にリスクが高いという特徴がある。相場環境に応じた、迅速な投資判断が求められる数少ない投資信託でもある。
レバレッジ型といえば、これまでは国内の株価指数を対象とした国内型が主流であったが、近年はS&P500指数、NASDAQ100指数、ニューヨーク・ダウ平均など、海外の株価指数を対象とした海外レバレッジ型の投資信託の設定も増えている。この海外レバレッジ型でよくある「失敗」の1つが、国内型と同じ要領で売買した結果、思うように利益を得られないというもの。前述した通り、海外資産に投資するファンドは、約定日が1営業日(原則)ずれる。したがって、解約注文を出した日の夜(日本時間)のニューヨーク市場が大暴落に見舞われ、目論見が外れたという事態もありえる。ともあれ、現在参照している株価水準で取引ができるわけではないという点には十分に注意したい。
基準価額の値動きが荒く、また、マーケットを見ながらの取引が難しいという特性を活かし、思い切って積立で投資するというのも1つの方法だ。積立投資においては、基準価額の下落時に「お得」に購入できた分が、後の基準価額の上昇局面で効果を発揮する。積立投資は値動きの大きい資産のほうが相性がよいのである。大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ」シリーズや、農林中金全共連アセットマネジメントの「NZAM・レバレッジ」シリーズなどが積立に対応しているので、相場動向を見極める自信がないという人は積立を検討してもよいだろう。