現在の視点から商品性を比較

今回は、現在の視点からアクティブファンドとインデックスファンドの商品性を比較します。その上で、米国株における近年のアクティブファンド苦戦の背景を、商品性の違いを踏まえて考えてみます。

 

  1. (現在) 商品性で比較する

商品性での比較のポイントは3点です。

(1)コスト水準        : インデックス優位
(2)投資対象の広さ : アクティブ優位
(3)投資手法の違い : 市場環境次第

 

(1)コスト水準で比較

信託報酬率等が相対的に低いインデックスファンドが優位

アクティブファンドでは、優秀な人材を確保するなど資金運用に、必要なコストが嵩むため、一般的にインデックスファンドよりは信託報酬率などが高く設定されています。ではその差はどの程度でしょうか。モーニングスター社が公表している各ファンドの分析評価情報の一部を構成する「フィーレベル・カテゴリー平均値」を利用して、代表的な投資対象ごとのコスト水準を比較します。

どのカテゴリーでもインデックスファンドの方がコスト水準が低く優位にあるといえます。また、その差は投資対象ごとに異なり、債券よりは株式やREITが大きく、国内資産よりは海外資産の方が大きい傾向が見られます。 

(注1)2021年8月末現在。年率。モーニングスター社が、DC専用・ファンドラップ専用・ETF等を除いた国内ファンドを15種類の投資対象資産およびアクティブ・パッシブの違いによって30種類のフィー・レベル・カテゴリーに分類し、その中での信託報酬等の相対的な水準を、5段階(1:安い、2:平均より安い、3:平均的、4:平均より高い、5:高い)及びその平均値で示すもの。
出所:モーニングスター : https://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2017/3q/MFA120170824.html