(3)投資手法の違いで比較

アクティブファンドのキャッシュ保有や逆張り的な投資判断が、上昇相場では足かせに、下落相場ではクッションに

アクティブファンドとインデックスファンドには商品性から生じる投資手法の違いがあり、市場環境によって運用成果に影響を与えると考えられます。ここでは、①ポートフォリオにおけるキャッシュ比率、および②投資判断の傾向(順張り/逆張り)の違いに着目します。

①キャッシュ比率
インデックスファンドは、市場指数と連動させるために、ポートフォリオをフルインベストメントにし、キャッシュをゼロにしておくことが重要です(例外的に先物利用等で市場との連動性維持することでキャッシュを保有している場合はあります)。一方で多くのアクティブファンドは、設定や解約対応のための不本意な売買を避ける目的で、ポートフォリオの一部(通常3−5%程度)をキャッシュで保有しています。 アクティブファンドでのキャッシュポジションは、上昇相場ではマイナス要因に、下落相場ではプラス要因となります。

  • ②投資判断の傾向(順張り/逆張り)

インデックスファンドでは、価格が大きく上昇しインデックス内での構成比率が高まった銘柄でも、順張り的に高まった比率通り保有しますし、逆に比率が低下した銘柄でも、やはり順張り的に、その低下した比率通りで保有します。一方で、アクティブファンドは、価格が大きく上昇した銘柄は、投資妙味が低下したと考え、(部分)売却を通じて逆張り的に投資比率を引き下げる傾向がありますし、逆に価格下落時には、逆張り的な買い増しにより投資比率を引き上げるケースが多く見られます。

アクティブファンドの逆張り的な投資行動は、価格が大きく上昇し続けた銘柄では、収益機会(の一部)を逃してしまう可能性が高いと思われますが、下落した銘柄では、その後価格が上昇に転じた時にはプラス要因となります。