小規模企業共済は受け取り方で、かかる税金が変わる!
また、小規模企業共済の共済金の受け取りもリタイア後の生活に大きく関わる要素でしょう。
分割で受け取ると雑所得で総合課税、一括で受け取ると退職所得で分離課税の扱いとなり受け取り方も注意が必要です。
どちらがおすすめかと言いますと、控除額が大きい退職所得控除を受けられ、しかも確定申告不要の一括の受け取りです。
分割の場合、70歳からの年金額と合わせて、雑所得が増えたことになり、結果、毎年の税金、社会保険料などの支出も増えることになります。こちらの場合、確定申告も必要です。“お得”な要素がほぼないため、あまりおすすめではありません。
小規模企業共済の共済金については、公的年金のように終身で支給され続けるわけではありません。その点を踏まえ、共済金1200万円の収入も70歳以降に均等に取り崩しながら生活費に充てるなど、計画的に使うことが鍵となるでしょう。
投資による運用を選択肢に
預貯金だけでなく投資による運用も考えてらっしゃるとのこと。しかし、これからあまり大きなリスクを取ることは避けたいと思われるでしょう。
ご自身の現在の預貯金(2000万円)の一部から、一般NISAを使いながら投資信託や株式で投資してみてはいかがでしょうか。年間120万円まで非課税枠がありますので、無理のない範囲と言えるのではないでしょうか。
その際、特定のファンド、銘柄に偏らず、分散投資することが大切です。もちろん、投資では元本割れをする可能性もありますが、公的年金や役員報酬でできた貯蓄分、小規模企業共済の共済金だけでなく、投資によってお金を育てることも、人生100年時代、リタイア後の資金計画の1つの有効な方法となるでしょう。
引退まであと5年ちょっと。充実した老後生活を送るために、できることは色々あるとお分かりいただけたと思います。今回の解説がお役に立てば何よりです!
まとめ
●65歳以降も高い報酬を受け取った場合、老齢厚生年金は繰下げをしても受給額が増えにくいことを覚えておこう
●小規模企業共済の共済金の受け取り方は「一括」がおすすめ
●投資によってお金を育てることも、リタイア後の資金計画の有効な方法