依然、投機的な側面は強い 仮想通貨への投資は慎重に

マスク氏は一度はビットコインに否定的な態度を取ったものの、「自己保有分はまだ売却していない」と自身のTwitterアカウントでコメント。4月27日には、テスラ社保有分の一部売却と相場操縦を指摘したSNS上の投稿に対して「現金保有の代替として、ビットコインの流動性を証明するものだ」と抗弁している。

さらに5月25日にテスラ社・マイクロストラテジー社双方のCEOが北米のマイニング業者と会議を行ったことに触れ「業者たちは、現在のエネルギー消費および今後の再生エネルギーの利用計画について報告書を公開していく。期待できる動きだろう」とポジティブな見解をを述べた。

ジョークと捉えられているドージコインについても、開発者と協力してシステム効率向上をすると意気込んでおり、基本的には前向きな姿勢を崩してはおらず、彼の描く未来には仮想通貨が存在しているように見える。仮想通貨はまだまだ過渡期にあると言えるだろう。

しかし、一個人の一言で大きく価格が変動する仮想通貨は、債券や投資信託など比較的着実な資産形成とは対極の金融商品だ。

米国証券取引委員会の委員長が仮想通貨に対する投資家の保護を明言し、中国当局も規制強化を公表するなど、相場の過熱を抑える状況は整いつつあるものの依然として投機的な側面は強い。仮に仮想通貨に投資する場合も、例えば資産運用のベースには投資信託での積立投資を据えつつ、大きくリスクを取れる配分を自分で決め、その範囲の中に留めておくなど、仮想通貨への投資は慎重に考えたいところだ。

※本文中のビットコイン価格はCoincheck、ドージコイン価格はCoinGeckoを参照した