ベゾスの経営哲学『DAY1』は継承されていくか
ベゾスの退任発表は大きな話題となったが、株価へはほとんど影響を与えることはなかった。投資家はそれほどまでに現在のAmazonの事業を盤石なものとみなしているのである。
Amazonには類い稀な成長をみせる原動力となった『DAY1』というベゾスの経営哲学がある。毎日がDAY1、つまり初日であるような心持ちで仕事に取り組むという考えだ。事業を立ち上げたときの挑戦を続ける姿勢とスピード感を保つことが、モチベーションの維持につながり、高いパフォーマンスを実現する秘訣だという。これまで同社が数多くのイノベーションを生み出してこれたのには、DAY1思想の根底にある飽くなき探究心があってこそなのかもしれない。
Amazonをここまで発展させた、徹底した顧客第一主義とそれを実現するための発明思考、そしてDAY1。ジャシー新CEO就任後も、Amazonが同じ経営哲学を持ち続けるのであれば、これまでと変わらぬ成長が期待できる。同社はECサイトにおける数々の革新的アイデアやAWSといった社会を動かすサービスを生み出してきた。今後も同社にしかできない発明がされていけば、企業も株価もさらなる成長をみせていくであろう。S&P500の影響度が高いことからも、Amazonの発展には目が離せない。