後任はクラウドサービス企業「AWS」現CEOアンディ・ジャシー

ベゾス退任後の新CEOは子会社であるAWS社のCEO、アンディ・ジャシーが務める。ジャシーは1997年、Amazonが上場した年に入社した古株で、今回の新CEO就任決定に際して、ベゾスが「全幅の信頼を寄せている」と評価する程の人物だ。

ご存じの方も多いかもしれないが、AWSとはAmazon Web Serviceの略称である。同名のクラウドサービスを手がける企業だ。

クラウドサービスは従来、ローカルなコンピュータで利用していたデータやソフトウェアをネットワーク上で利用者に提供するサービスのこと。サーバーなどの機材を物理的に揃えるコストや手間を大幅に削減することができる。

中でもAWSはデータストレージといった多くの企業でニーズがあるサービスはもちろん、ゲーム制作用ツールといった専門的なものまで数多くのサービスを提供している。数あるサービスからユーザーが必要な分だけ選択できることも特徴で、AWSの恩恵を受けて誕生した小規模のスタートアップ企業も多いとされている。ベゾスの書簡には時間の節約を1時間当たり10ドルとして計算すると、AWSによって2020年には顧客全体で380億ドル(約4兆1000億円)に値する価値がもたらされたと記されている。

現在、AWSはクラウドサービス分野におけるトップの業績を持つ企業であり、業界全体の約35%の売上を占める。また、Amazonが手掛ける事業の中で、営業利益率において非常に高い割合を持ち、2021年はグループ全体の営業利益の50%以上を担った。ジャシーは「AWSはAmazonで最大のビジネスになる」として、高い目標を持ってAWSの発展に貢献してきた。

そのジャシーがAmazonのCEOに就任するということで、今後ますますAmazon内でのAWSの戦略的重要性高まっていくとの見解を示す投資家も多い。