「DX」関連などさらに多様性を増した現状と今後
その他のトレンドとして、アメリカではデジタル技術が急速に発展し、普及する動きと相まって「Information Technology」セクターのETF残高が増加する動きも見られます。 このセクターにはDX(デジタルトランスフォーメーション)や非接触、在宅ワーク等に関連するハイテク銘柄も数多く含まれ、ウィズ/アフター・コロナにおいて注目される形となっています。
世界のデジタル分野の競争力はアメリカが突出しており、ETFにもこうしたトレンドが見られますが、「DX」の重要性はアメリカのみならず世界中で高まっており、日本でも「デジタル庁」の設置を含むデジタル関連法案が国会で審議されるなど、官民一体となってデジタル改革を推進していく動きが加速しています。東証ETF市場においても、昨今「DX」をテーマにした新しいタイプの商品が登場してきています。
このように、時代に即した新しいタイプのETFや、国際分散投資の手段としての外国株・外国債券ETFのバリエーションが増加しており、投資家の多様なニーズ・スタイルに応じた資産形成の手段としてETFが活用しやすい環境が整いつつあります。
東証ETF市場は本年7月に市場開設20周年の節目を迎えます。今後もコスト面や透明性、即時性といったETFが持つメリットを広く周知していくことで、日本人の誰もが、資産形成の手段としてまず「ETF」を思い浮かべるようになることを目指し、その結果としてETF市場のさらなる活性化につながるよう、引き続き取り組んでまいります。
なお、本稿中、意見に関わる部分については筆者個人の見解によるものであり、筆者が所属する東京証券取引所の公式見解を示すものではないことをお断りしておきます。