iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は税制メリットが大きい、お得な制度です。iDeCoで積み立てた掛金は全額が所得控除の対象になり、所得税と住民税の負担が減ります。老後の準備をしながら現在の「手取り」が増えるということですから、とてもうれしい制度ですよね。
現在の「手取り」が増えるという意味では、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)も現役世代の強い味方です。
簡単にご説明すると、一定条件を満たした住宅を返済期間10年以上のローンを利用して取得すると、入居の年から10年間、年末時点のローン残高(上限4000万円)の1%を所得税や住民税から控除できる制度です。2019年10月の消費税増税後、10年間の控除期間が特例として最長13年間に延長されましたが、コロナ禍を踏まえ、この特例の「入居期限」も2020年の12月末から2022年末までの入居に延伸されることとなりました。
iDeCoも住宅ローン控除もお得な制度ですが、併用したときの税控除額はお互いに影響し合う関係性にあります。
マイホーム購入は人生の大きなライフイベントなので、セミナーでもiDeCoと住宅ローン控除の関係についての質問をよくお受けします。結論から申し上げれば、iDeCoを始めると“住宅ローン控除の枠”で受けられる控除が減ることはあります。でも、それが損なのかどうかは考え方次第だと思います。
今回はその理由と、住宅ローン控除とiDeCo併用時のお互いの影響度合いについてご説明しましょう。
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セミナー参加者(以下、参加者)
iDeCoを始めたいと思っているのですが、同僚に「住宅ローン控除を使っている間は、何か注意点があったような気が……」と言われました。iDeCoと住宅ローン控除って、併用はできないのですか……?
講師
いやいや、できないわけではありません。注意点というのはおそらく、税額控除されて所得税として戻ってくるお金が減ってしまう件だと思います。
参加者
出ました、「税額控除」! やっぱり今回も、「そもそも『控除』とは?iDeCo(イデコ)の税金メリットをざっくり解説」で聞いた考え方が出てくるんですね。どういうことなんでしょうか?