「複合資産型(バランス型)」と「外国株式型(先進国)」が上位に

このランキングを見てみると、1位の「東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型)」をはじめ、上位4本は全て複合資産型(バランス型)というタイプであることが分かります。このタイプは国内外の株式や債券といった複数の資産を投資対象とし、投資の基本である「分散投資」を1つの商品で実現できるため、投資初心者にも適した「王道」の投資信託だと言ってもいいでしょう。

もちろん、同じ複合資産型でも特徴は異なり、それは主に各資産の配分比率によって決まります。例えば「東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型)」であれば、国内債券70%、国内株式15%、国内REIT(不動産投資信託)15%の比率で投資するのが基本となっています。一般に債券の比率が高いほどリスクは低いと言われ、しかも同ファンドの場合は全て為替リスクのない国内の資産を投資対象にしていますから、かなりリスクが低いタイプの投資信託と言えます。

また、2位、4位、8位にはそれぞれ「マイバランス」の30、50、70が入っていますが、この数字は株式への投資比率の目安を示すものですから、数字が大きいほどリスクが高くなっているわけです。このように、複合資産型の場合は投資対象資産の配分比率に応じて、自分に適した商品を選択するのが基本となります。

その他のタイプで目立つのは、5位の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」など先進国の株式、あるいは先進国の中でも米国の株式のみを投資対象とするものです。当然、これらは複合資産型よりもリスクは高くなっています。

ただ、iDeCoであれば自ずと積立投資の仕組みを活用することになり、時間分散の効果が期待できるため、ある程度のリスクを取ってもいいと考えられます。基本的には老後の備えとなる資金ですから、長期での投資となるケースが多いはずで、特に年齢が若い人であれば外国株式型(先進国)のみに投資するという選択も十分にあり得るでしょう。

このように、今回のランキングでは複合資産型と外国株式型が上位を占める結果となりましたが、iDeCoにおける商品選択という視点で考えても、この2つのタイプが代表的な選択肢と言えるかもしれません。あとは自身の投資期間、どれくらいの損失に耐えられそうかというリスク許容度などを考慮しながら商品を選べばいいわけです。

今回のランキングの対象になった投資信託は、いずれもiDeCoで取り扱われているものではありますが、当然のことながら、金融機関によって商品ラインアップは異なります。ランキングに入っている投資信託が全くないというケースもあるでしょうが、2019年に日本全体ではどんな商品が選択されていたのかを示すものとして、参考材料の1つにしてみてください