注目したい4本のファンド

TOP10の中から、パフォーマンスと分散投資の観点で注目したい4本を紹介します。テーマ株2本(グローバルと国内)、国内バリュー株1本、国内配当成長株1本という組み合わせです。特定のテーマに資金が集中しやすい局面だからこそ、長期的な視点ではテーマの分散を意識しておくことが重要だと考えられます。なお、増加率1位の日経平均高配当利回り株ファンドは、資金流入の急増を受け、2026年7月14日から新規のスポット購入が停止されています。

グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型) 

世界のロボティクス関連企業に投資するテーマ型ファンド。上期の流入額は780億円(下期12億円)と拡大しました。1年・3年・5年のいずれの期間でも堅調なリターンを記録しています。AIによる自動化投資への関心の高まりに加え、AIが現実世界で身体を持って動く「フィジカルAI」への注目も、資金流入を後押ししたと見られます。単一テーマゆえ値動きの振れ幅には注意が必要です。なお、同じマザーファンドに投資している1年決算型は、2025年下期が84億円の流出超だったところ2026年上期は884億円の流入に転じており、揃って資金流入が好調となっています。

情報エレクトロニクスファンド 

半導体・電子部品関連に投資し、上期流入額は730億円(下期95億円)と大きく伸びました。1年・3年・5年のいずれのリターンもTOP10の中で突出した水準にあります。AI関連の半導体需要拡大が追い風となり好成績と資金流入の両方につながったと見られますが、市況サイクルの変動などによる価格変動の大きさには留意が必要です。

One割安日本株ファンド(年1回決算型) 

バリュー株中心の運用で、上期流入額は310億円(下期42億円)まで増加しました。中長期のリターンもテーマ株ファンドに引けを取らない水準です。AI半導体関連の物色が強まる中でも割安株への見直し買いが入っており、バリュー株に分散投資することにより、投資スタイルの分散につながる場合があります。

フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型) 

増配を続ける企業に着目し、上期流入額は485億円(下期83億円)まで伸びました。中長期のリターンも堅調に推移しています。値上がり益中心のテーマ株ファンドとは異なり、企業の増配に着目している点が特徴で、値上がり益と配当成長の両立を意識した設計が支持を集めています。配当成長という視点も投資スタイルを分散する一つの考え方といえるでしょう。

まとめ

2026年上期は、AI半導体関連のテーマ株に資金が集中しましたが、7月以降のような急な調整局面では、値動きの大きさが裏目に出ることもあります。高いリスクを許容でき、AI半導体を中心とした上期の相場が中長期的にも続くと考えるのであれば、テーマ株ファンドを中心に据える選択肢もあるでしょう。一方、7月の調整局面を踏まえれば、バリュー株や配当成長株など、相対的に値動きが小さい傾向のあるファンドを、リスク許容度に応じて組み入れるという考え方もあります。

いずれにせよ、値上がりが目立つテーマに資金を集中させるのではなく、ご自身のリスク許容度に応じて異なる特性を持つファンドを組み合わせておくことが、相場の変化に振り回されにくい運用につながります。

資金流入の動向は、証券会社や金融機関での販売状況などを反映した、ファンドの人気度を測るうえでの一つの参考指標です。今回のランキングからは、投資家が成長期待の高いテーマ株を選好する一方で、高配当株や配当成長株、バリュー株なども組み合わせながら運用している姿が見えてきます。下半期以降も、特定のテーマへの集中だけでなく、異なる特性を持つファンドを組み合わせながら、ご自身のリスク許容度に合った資産配分を考えることが、重要になりそうです。