市場のボラティリティが続く中、相場環境の変化をとらえて新たに登場する新規ファンド(投資信託)の傾向はプロの投資視点や新たな投資テーマを映す。その潮流を見極めることは、次の投資先を探るヒントとなる。2026年8月に新規設定された株式追加型投信(19本、設定額合計178億8,200万円※)のデータから、投資対象テーマの傾向や商品の特徴を見ていこう。※出所:一般社団法人投資信託協会

【2026年8月】新規設定ファンドの5大テーマ

2026年8月に新規設定された株式追加型投資信託を投資対象や運用手法の傾向は次の5つのテーマに分類できる。

テーマ①日本成長戦略・国策・企業改革型(3本/設定額:107億1,800万円 /設定額構成比59.9%)、テーマ②AI・テクノロジー・独自選定型(2本/設定額:39億3,900万円 /設定額構成比22.0%)、テーマ③特化型テーマ・エンタメ・IP関連(1本/設定額:13億1,500万円 /設定額構成比7.4%)、テーマ④新興国・フロンティア成長株(6本/ 設定額:13億9,000万円 /設定額構成比7.7%)、テーマ⑤高配当・ヘッジ・インカム・レバレッジ派生型など(7本/ 設定額:52億万円 /設定額構成比2.9%)。

設定金額ベースでは、国内の成長戦略のほかAI、アニメ・ゲームといった特定の投資分野に絞ったテーマ①~③に全体の約9割の資金が集中している。具体的に見ていこう。

テーマ別・全19ファンド詳細

<テーマ①>日本成長戦略・国策・企業改革型―政府施策に連動、8月最大規模の資金流入分野―

8月設定の追加型投信において全体の約6割(約107億円)の資金が集中、最大の注目領域といえるのが日本株の成長へのフォーカスだ。中でも政府主導の日本成長戦略に基づき防衛強化やGX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった国家政策など、日本の構造改革の動きを追い風にするファンド群が目立った。以下、詳細をチェックしていきたい。

ニッポン国家成長戦略ファンド

運用会社:SBI岡三アセットマネジメント
設定日:2026年8月31日
償還日:2047年8月23日
設定額:98億5,000万円
決算:年1回

基本戦略:「ニッポン国家成長戦略マザーファンド」への投資を通じて世界経済の構造変化の中で日本の国家戦略が生み出す成長機会に着目、新たな価値創造に挑む企業へ投資。ボトムアップアプローチにより企業の本源的な価値、トップダウンアプローチで市場環境の変化を分析。株価の上昇余地が大きい銘柄を選別。

主な投資対象領域:組入上位10銘柄(2026年9月1日時点)リクルートホールディングス7.6%、三菱UFJフィナンシャル・グループ5.4%、アドバンテスト3.2%、ソニーグループ3.0%、三井住友フィナンシャルグループ2.9%、日立製作所2.9%、しずおかフィナンシャルグループ2.4%、ベイカレント2.4%、NEC2.0%、イビデン2.0%。セクター別では電気機器26%、銀行業16%、サービス業11%など。AI投資拡大の恩恵を受ける半導体関連株を多く含む電気機器や、日銀の政策金利引き上げが追い風の銀行業などのセクターが目立つ。

日本成長戦略株式ファンド

運用会社:アモーヴァ・アセットマネジメント
設定日:2026年8月28日
償還日:2047年8月9日
設定額:8億6,700万円
決算:年1回

基本戦略:政府が推進する日本成長戦略により収益機会の拡大が見込まれる企業の株式に投資。AIを活用し、企業の事業内容と日本成長戦略での着目分野との関連性を分析、銘柄ごとにスコアで評価。ファンダメンタルズや株価バリュエーションを鑑み組入銘柄を厳選。投資比率の決定には時価総額や業種間のバランスにも考慮。「日本成長戦略株式マザーファンド」に投資するファミリーファンド方式で運用。

主な投資対象領域:政策の後押しが期待される日本企業

野村CIO日本株セレクト(野村SMA・EW向け)

運用会社:野村アセットマネジメント
設定日:2026年8月24日
設定額:100万円
決算:年1回

基本戦略:国内株式の運用において優れていると判断した投資信託証券の中から選定した下記の指定投資信託証券に分散投資。ファンド名のCIOは野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングCIOマネジメント部を中心として構成されるチーフ・インベストメント・オフィスを指す。

主な投資対象領域:「ノムラ・ジャパン・オープン F(適格機関投資家専用)」、「ストラテジック・バリュー・オープン F2(同)」、「スパークス・厳選投資・日本株ファンド F(同) 」

※対象のラップ口座契約者のみ購入可能