個人投資家がアクティビズムを「可決か否決か」の一勝負として見ていると、見落とす構造がある。ストラテジックキャピタル(SC)による日本証券金融(日証金、証券コード:8511)への株主提案は、2023年2月と6月の2度にわたり合計8議案が提出されたが、賛成率は最高でも23.44%にとどまり、いずれも否決された(出所:日証金 臨時報告書2023年2月9日提出、同2023年6月26日提出)。それでも両者の関係は株主総会で終わらず、否決から5カ月後の2023年11月にもSCは会社側に書簡で説明を求めている。

「20.02%→23.44%」が示す、否決の中の温度差

日証金への株主提案は1回で終わらず、要求の質を変えながら2段階で行われた。

第1幕は2023年2月7日開催の臨時株主総会である。SCは2022年11月22日付で臨時株主総会の招集を請求し、日本銀行・財務省・東京証券取引所(東証)出身者の役員選任経緯を調査する弁護士3名の選任を求めた。3議案とも賛成率20.02〜20.18%で否決された。

 
出所:日本証券金融 臨時報告書 2023年2月9日提出、同 2023年6月26日提出
 

第2幕では執行役会長制度の廃止や社長経験者の再雇用禁止など、定款変更を伴う要求へと水準が引き上げられた。議案別では、代表執行役社長の個別報酬開示を求めた議案が23.44%と相対的に高く、大株主との対話内容の開示を求めた議案が10.37%と最も低い。