「それなら私が使ったからないよ」
とても信じられなかったが、過去の通帳まで遡って確認してみると、過去10年以上という長期間にわたって定期的に多額の引き出しがあった。
それだけではない。証券会社に確認すると保有していた株式もすべて売却済みだった。
つまり、現金含め金融資産が全くない状態になっていたのだ。
「唖然として言葉が出ませんでした」彼は震える声で当時の気持ちを語ってくれた。
その日から数日たち、心の整理がついたころに、彼は意を決して妹に話を聞くことにした。
「なぁ、親父とおふくろの遺産のことだけど……」
と、その瞬間妹の態度は急変。悪びれる様子もなく「ああ、それなら私が使ったからないよ」と言い放ったという。
ぽかんとする彼に向かって、妹はなおもこう追撃する。
「だって、介護していたのは私でしょ? 人生全部親のために使ってきたんだもん」
「私は我慢して介護だけしていればよかったの?」
ヒートアップする妹の言葉は止まらない。
「生活費と一部私の報酬的なものとして使わせてもらっただけ」
極めつけに「お金を使って何が悪いの? 私は我慢して介護だけしていればよかったの?」と、安村さんに向かって非難の言葉のラッシュを放つのだった。
安村さんの妹は介護を理由に親の資産を管理し、少しずつ、確実に、親の財産を食い尽くしていたようだ。
すべて合算すると、その額はおよそ3000万円以上にもなるが、妹には悪びれる様子もない。その態度に安村さんも感情的になってしまい、大きな声で非難したところ、妹は激高した安村さん目もくれず自室に戻ってしまった。
妹の態度を見た安村さんは一泊するつもりの予定を変更。その日に自宅へ戻ることとした。
●介護の負担を理由に遺産の使い込みを開き直った妹に、つい感情的になってしまった安村さん。なんとか遺産を取り戻そうと筆者の事務所を訪れたところ、さらに驚きの事実が判明することに……。後編【「登記簿を見せてもらえませんか?」3000万円以上あった遺産がたった数百円に…「使い込んだ妹」への法的措置を検討して判明した「残酷な真実」】では、両親の残した遺産の驚くべき真相、および、兄妹の骨肉相食むバトルの衝撃の結末が明らかに。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
