相続者と被相続者、双方の希望は一致しているか
興味深いのは、相続する側とされる側の考えに一定の一致が見られる点だ。60歳以上(相続される側)の26.4%が「せっかくの株式や投資信託を相続人に保有し続けてほしいので、相続人が継続保有した場合の優遇措置を設けてほしい」と回答している一方で、60歳未満(相続する側)の80.2%が「株式や投資信託を保有し続ける」と答えている。
また、60歳以上の投資家が望む「NISA口座で持っている株式や投資信託の相続税を非課税にしてほしい」という優遇措置は、相続財産を売却せずに保有し続けたい60歳未満の人たちにとっても有益な施策といえるだろう。
相続税制度は、単に税収確保の面だけでなく、資産の世代間移転や資産運用の活発化といった経済活性化の側面も考慮する必要があるのではないか。今回の調査結果からは新たな課題を浮き彫りにしているといえそうだ。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人
