地域別に見る住宅ローンの特徴

ここまでの調査結果をもとに、各地域の住宅購入・住宅ローンの傾向をまとめてみましょう。

首都圏
<傾向のポイント>
•    住宅価格が高く、ペアローン利用率が約3割と最も高い
•    36年以上の超長期ローンの利用は少ない
•    マンション選択割合が約3割と最も高く、変動金利の選択割合も高い

近畿圏
<傾向のポイント>
•    20代での住宅購入割合が約4割と他エリアよりも早期購入の傾向
•    ペアローン利用率が約1割と最も低い
•    返済期間は他エリアよりも短い傾向の半面、世帯年収に対する返済比率はやや高い

中京圏
<傾向のポイント>
•    全エリアで唯一、新築マンションよりも中古マンションの選択率が高い
•    住宅購入の年代は20代・30代で約7割
•    ペアローン利用率や返済比率は全国平均に近い水準

その他地域
<傾向のポイント>
•    三大都市圏に比べ、20代での住宅購入割合は低い
•    戸建ての割合が高く、固定金利を組み入れている割合が約4割と最も高い
•    36年以上の超長期ローン利用割合が13.7%と他エリアと比較して高い

ペアローン利用増加、返済期間の長期化は全国的な傾向

住宅価格の上昇や金利の変動が続く中で、住宅ローンの組成内容はますます複雑になってきています。今回の調査からは、ペアローンの利用増加や返済期間の長期化は首都圏だけではなく、地域による強弱はあるものの全国的な傾向であり、生活者が自分たちのライフスタイルや家計の収支に合わせて工夫し、柔軟に対応している姿が浮かび上がりました。

これから住宅ローンを検討する方にとっても、すでに借入をしている方にとっても、今一度「自分たちの暮らしのウェルビーイング追求にとって最適な返済計画とは何か」をしっかりと見つめ直すことが一層重要になってくるのではないでしょうか。

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 桝本 希)