前回のコラムでは、足元の環境下での繰上返済の実態についてお伝えしました。今回は、繰上返済はファイナンシャル・ウェルビーイング度※向上に寄与するのかどうかについてみていきます。

※「ファイナンシャル・ウェルビーイング」とは、自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在及び将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態を指す。

●参考記事:住宅ローンの返済プランをどう考えている? 直近10年で大きく変化した、繰上返済を選ぶ“目的”

「繰上返済」×「ファイナンシャル・ウェルビーイング度」は?

繰上返済経験の有無別にファイナンシャル・ウェルビーイング度を確認したところ、「繰上返済経験あり」では「高い」が16.9%、「繰上返済経験なし」では「高い」が10.3%と、前者の方が「ファイナンシャル・ウェルビーイング度が高い」人が多いことが分かりました【図表1】。

【図表1】ファイナンシャル・ウェルビーイング度の分布(繰上返済経験の有無別)

(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)よりミライ研作成
*回答者:住宅ローン利用経験者