4期連続の最高益 北米が好調で利益貢献、M&Aで事業拡大
三和ホールディングスが買われている理由の1つとみられるのが、好調な業績です。
三和ホールディングスの業績は拡大傾向です。主要市場の日本や北米および欧州で価格転嫁が進み、利益が大きく増加しました。売上高および営業利益は、25年3月期で4期連続の過去最高を達成しています。
成長をけん引しているのは北米事業です。価格転嫁の効果が強く現れたほか、サプライチェーンの混乱が緩和したこと、原材料価格が下落したことなどから、23年3月期に営業利益が3.5倍に急増しました。以降は金利の上昇などから住宅市場が苦戦する一方、値上げやコスト削減に取り組んだ結果、利益は高い成長が続いています。
北米はM&Aで事業を拡大してきました。1996年に米オーバーヘッドドアを買収したほか、23年には米ドアコントロールと米ドアコンセプトを取得しました。売り上げの規模は現地で1~2位の水準に達しており、北米全土をカバーしています。今後は、既存事業との相乗効果が期待できる周辺領域への拡大を目指す方針です。
一方、アジア事業はテコ入れを進めます。22年3月期以降は黒字が続いていますが、台湾や香港が堅調な一方、中国東部やベトナムが課題という認識です。経営を軌道に乗せるため販売や製造で取り組みを進め、中長期的にはアジア各地とのシナジーの創出を図ります。
【セグメント別の営業利益目標(~28年3月期)】
・日本:390億円(25年3月期実績:354.4億円)
・米州:510億円(同415.0億円)
・欧州:75億円(同34.1億円)
・アジア:12.5億円(同3.7億円)
※北米…アメリカ、カナダ他
※欧州…ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、イギリス他
※アジア…中国、香港、台湾、ベトナム
出所:三和ホールディングス 中期経営計画