ダルトンとバリューアクトが大量保有

三和ホールディングス株式は2023年ごろに上昇トレンドを迎えました。同社はシャッターやドアといった開口部設備の世界的メーカーです。従来1300円前後を推移していた株価は、23年7月には一時2000円台まで値上がりします。その後も買われる展開が続き、時価総額は1兆円を突破。25年5月には上場来高値となる5352円まで上昇しました。

【主なシャッターメーカーの売上高(25年3月期)】

・三和ホールディングス:6624億円
・文化シヤッター:2284億円
・東洋シヤッター:209億円

出所:各社の決算短信

ただし、短期的には値下がりの展開です。25年7月末に今期(26年3月期)第1四半期決算を公表すると、株価は前営業日比で12.1%安となる4138円まで急落しました。8月には一時4900円台を回復したものの、再び売りに押されます。とはいえ、中長期的には大きく値上がりしており、株価の5年騰落率は足元でプラス249.6%(3.50倍)と、日経平均株価(同プラス98.3%)を大幅に上回っています(25年10月14日終値)。

【三和ホールディングスの株価チャート(過去5年間)】
・株価:4125円(2025年10月14日終値)

三和ホールディングスの株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

短期的な値下がりを受け、配当利回りは足元で上昇しています。今期(26年3月期)は1株あたり124円の配当金を予定しており、配当利回りは3%台に達しました。三和ホールディングスは株主還元方針を引き上げており、従来の配当性向40%から、28年3月期まではDOE(株主資本配当率)8%へ変更しています。DOE8%は、ROE(自己資本利益率)18%以上の前提で配当性向45%に相当する水準です。

【三和ホールディングスの予想配当利回り(26年3月期)】

・予想配当金:124円
・予想配当利回り:3.01%

出所:三和ホールディングス 決算短信

実は、三和ホールディングスには投資ファンドの新規投資が相次いでいます。23年には米ダルトンが、24年には米バリューアクトの投資が明らかになりました。

三和ホールディングスには、なぜ投資家の買いが向かっているのでしょうか。背景に迫ります。