製造業の加工業種で経常利益下方修正

10月1~2日にかけて公表された9月日銀短観の大企業調査は、8月下旬~9月下旬にかけて資本金10億円以上の企業約1700社に対して行った調査であり、先月公表された法人企業景気予測調査に続いて、今期業績予想の先行指標として注目される。

そこで本稿では、同調査を用いて10月下旬から本格化する四半期決算発表で、今年度業績計画の上方修正が見込まれる業種を予想してみたい。

資料1は、9月短観の調査対象大企業(全産業、除く金融)が計画する半期別売上高・経常利益前年比の推移を見たものである。まず売上高を見ると、25年度は上期・下期とも若干下方修正となっている。

一方、経常利益を見ると、年度全体で見れば25年度は+0.3%ほど上方修正になっている。しかし、業種別に着目すれば、製造業の加工業種だけ下方修正となっている。これは、やはり加工業種は輸出関連産業が多いことから、トランプ関税が影響していることが予想される。

しかし裏を返せば、産業全体で見れば、売上高の半期ごとの伸び率は前年比で若干の下方修正にとどまる一方で、経常利益については製造業のうち加工業種以外は上方修正になっているということである。