わが国は少子高齢化によって公的年金や健康保険などの社会保険財政が悪化していることから、支え手を増やしていくための制度改正(被保険者の適用拡大)が続いています。今回は社会保険の扶養の壁(年収106万円と年収130万円)と合わせて説明したいと思います。

国民年金被保険者の状況

まず、保険料を払って保険に加入している人を「被保険者」といい、被保険者に扶養されて保険料を払うことなく保険給付を受けられる人を「被扶養者」といいます。

公的年金については本シリーズで説明してきていますが、自営業者・学生などの第1号被保険者は1階部分の国民年金に加入して被保険者となります。国民年金には扶養という概念はなく、自営業の方に実質的に扶養されている配偶者も第1号被保険者となって国民年金保険料を納付する義務があります。

一方で、会社員や公務員は厚生年金に加入することで、自動的に国民年金にも加入したことになり、厚生年金被保険者であるとともに国民年金の第2号被保険者となります。また、第2号被保険者に扶養されている配偶者は国民年金保険料を納付することなく国民年金の第3号被保険者となります。

国民年金の第3号被保険者が強制加入となった1986年から種別ごとの被保険者数の推移を見ると、下図のように2000年代に入って第2号被保険者は右肩上がりで増加している一方、第1号被保険者と第3号被保険者は減少傾向にあります。

こうした背景には、厚生年金の適用拡大が大きく影響していると言えます。少子高齢化による公的年金の支え手の減少に歯止めを掛けるため、厚生年金の適用事業所の基準を下げて厚生年金被保険者を増加させてきました。さらに、女性の社会進出によって第3号被保険者が減少したことも要因となっていると考えられます。

【国民年金被保険者数の推移】

 
(出所)厚生労働省「国民年金の加入・保険料納付状況」よりアセットマネジメントOne作成