• 要旨

  • 9月日銀短観における25年度の収益計画では増収減益計画は不変も売上高下方修正。ただ、経常利益は加工業種以外上方修正。

    売上高計画の上方修正が目立ったのが、人件費上昇などに伴うサービス価格の引き上げが功奏した「対個人サービス」、半導体材料の需要回復が影響した「繊維」、企業のシステム投資好調などが寄与した「情報サービス」、製品値上げ寄与の「紙・パルプ」、旅行需要増寄与の「宿泊・飲食サービス」等。

    経常利益計画を基に上方修正が期待される業種を見ると、機能材料の好調さ等が反映された「鉱・採石・砂利採取」、値上げや好調な輸出等が寄与した「食料品」、半導体材料の好調さが後ろ盾になる「金属製品」「化学」、世界的な地政学リスクの高まりに伴う防衛を中心とした需要増が寄与した「造船・重機、その他輸送用機械」、観光需要増や値上げが功奏する「宿泊・飲食サービス」と続く。

    大企業の25年度想定為替レートは、ドル円で145.9円/$、ユーロ円で159.7円/€だが、足元のドル円レートは140円台後半、ユーロ円は170円台となっている。中でも、多くの業種において足元の水準より対ユーロで円高気味の想定をしていることを踏まえれば、ユーロ圏向けのエクスポージャーが高水準の業種においては業績上方修正が期待される。