金融庁の組織改編―資産運用・保険監督局、銀行・証券監督局の設置

税制改正要望と同時に発表された2025事務年度金融行政方針において、金融庁は自らの「バージョンアップを図る」と明言している。監督局を2局体制とし、「資産運用・保険監督局」および「銀行・証券監督局」を設置することを目指すとしている。

資産運用・保険監督局では、昨今の損害保険業界による信頼を揺るがすような保険金不正請求事案や保険料調整行為事案の再発防止を図るための監督や検査を実施していく。

また、銀行・証券監督局では、大手金融グループが傘下の銀行や証券会社など複数にわたる金融機関を経営していることからそれらの業態間の相互影響やガバナンスを監督、検査することを念頭に置く。併せて、通信・流通等を母体とするデジタル技術を駆使した金融グループの台頭も著しい。これらの業態に対してもグループ全体の戦略や金融事業の位置付けについて議論しつつ実効的な監督を進める意向だ。

監督局の2局体制への移行は、複雑化・多様化する金融ビジネスに対応し、より専門的かつ効果的な監督を行うための体制整備といえる。

投資家に必要なこと

金融庁の令和8(2026)年度税制改正要望および2025事務年度金融行政方針からは私たちの資産運用を取り巻く環境の変化が予測される。より利便性を増すNISAや暗号資産などの新たな動きをとらえ、自身に合った資産形成を行えるよう日ごろからの情報収集が欠かせない。