押さえておきたい3つの「変わる」可能性 

私たちの資産形成が変わるかもしれない。2025年8月29日に金融庁は令和8(2026)年度税制改正要望を提出した。その内容の中から私たちの資産形成について影響があるかもしれない項目がいくつかある。押さえておきたい主なポイントは次の3つだ。

・新NISAの拡充…つみたて投資枠の未成年の利用、商品の拡充、非課税投資枠の年内復活
・暗号資産(仮想通貨)の課税見直し
・生命保険料控除の拡充の恒久化

税制改正要望では、NISAの充実が筆頭項目に掲げられている。具体的には、①つみたて投資枠の対象年齢を18歳未満にも拡大、②対象商品の拡充、③非課税投資枠の年内復活の3点だ。

運用から得た利益が非課税になるNISA制度は2024年に内容を刷新し、より利便性が高まった。幅広い所得層や世代で利用が広がっており、日本証券業協会の調査によれば年収500万円未満の層が利用者の約7割を占めている※1。

※1  出所:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」

また20代以下の口座開設数が1.3倍となるなど、特に若年層において口座開設の伸びが顕著であることが分かる※2(23年12月末との比較、24年9月末時点)。今回の要望でさらなる利便性の拡大を図る狙いがある。

※2  出所:金融庁「NISAに関する有識者会議」(第1回)説明資料