ふるさと納税のコンセプトを正しく理解している人はどれほどいるのか
このように書いていて思うのですが、そもそもふるさと納税は何のために始まったのでしょうか。決して、「返礼品をもらう」、「ポイントをもらう」のが目的ではなかったはずです。
この制度が始まったのは2008年でした。当時から、地方に住む若者たちの大都市圏への人口移動が加速していましたが、その問題点は地方の人口減少だけではありません。
地方の自治体からすれば、高校を卒業するまで地元の住民サービスを提供してきたにもかかわらず、そのサービスを受けて育った子供たちが地元の大学ではなく、大都市圏の大学に進学し、卒業後も大都市圏で社会人生活を送られてしまったら、どうなるでしょうか。地方自治体が、高校卒業まで子供たちに提供してきた各種サービスのコストを回収できなくなってしまいます。
これはあまりにも不公平ではないか、ということで設けられたのがふるさと納税でした。確かに一理あります。
しかし、元々の理念を理解してふるさと納税をしている人が、果たしてどれだけいるでしょうか。
もし、こうした理念を理解してふるさと納税を利用しているのであれば、自分の出身地の自治体に寄附すれば良いでしょう。でも、実際には返礼品とポイント狙いで寄附先を選んでいる人が大半です。これを「ふるさと納税」と称して良いのでしょうか。この点ははなはだ疑問です。