中長期の投資先としての「金」の魅力

積立投資ランキングで「三菱UFJ純金ファンド」がトップ5にランクインした。金価格は、NY金先物取引の中心限月(先物取引やオプション取引が活発な月)の9月になって史上最高値を連日で更新している。この背景には、米国で9月に利下げが実施されるのではないかという見通しがある。利下げによって、通貨の価値が低下することが、価値の変わらない金(ゴールド)の価値を相対的に高めると評価されている。また、9月利下げ説の根拠の1つは、米国の雇用が弱くなってきているという見方もあることで、米国が雇用を減退させるほどの不況に陥っているのではないかという不安だ。それを裏付けるような経済指標が多く出てくるようになると、米国の株価にマイナスの圧力がかかるだろう。金価格上昇の理由のひとつには株式市場の先行きへの不安に対するヘッジという意識がある。

一方で、中長期的な視点では、世界各国の通貨は、それぞれの国の都合によって、際限なく増刷できるが、金(ゴールド)は有限で絶対的な価値を持っているため、おのずと金価格は右肩上がりで上昇していくという考えがある。金価格は一本調子に上昇するのではなく、株式市場や景気の良しあしなどで価格変動がある。それでも長期的には値上がりするという見通しがあり、その考えに同意できるのであれば、これほど長期の積立投資に向いている資産はないといえる。短期的な価格の上下に一喜一憂することなく長期の積立投資資産として資産全体の中で一定程度は持っておきたい資産といってもよいかもしれない。

執筆/ライター・記者 徳永 浩