国内株式市場に対する強弱感

楽天証券の売れ筋ランキングで第8位に「楽天日本株4.3倍ブル」、第9位に「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」が並んでいるのは興味深い。ブルベア型のファンドは、注目している資産の値動きに対してレバレッジ(テコの原理)を使って数倍の比率で大きく動くように仕組んだファンドだ。この2ファンドはともに日本の株式市場を対象とし、「楽天日本株4.3倍ブル」は「正」の方向に4.3倍、「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」は「負」の方向に3.8倍で動く。日本株が一段と上昇する場合は「楽天日本株4.3倍ブル」が大きく上昇し、反対に日本株が下落する局面では「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」が大きく値上がりする。

日経平均株価は8月12日に2024年7月以来となる史上最高値更新を実現し、8月18日まで連日のように史上最高値を更新し続けて4万3714円になった。その後はやや調整気味に推移し、8月末は4万2188円で終わっている。強弱感が対立するところだ。ブルベア型が売れ筋順位で並んでいる姿には、どちらに動くとも決めにくい緊張感が感じられる。インデックスファンドでは「S&P500」へのこだわりが強く感じられるランキングだったが、国内株においては直感的な対立があらわになっているようだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩