日本国内の人口減は避けられなさそうだが、「利益率の改善」がポイントに!?

日本株の上昇に対する懐疑的な意見としては、「人口が減っている国の企業に成長はない」というのがあります。

確かにその通りですが、今、日本企業が必死に取り組んでいるのが利益の改善です。特に内需型の企業は、人口減によって国の成長が期待できなければ売上が伸びません。しかし、売上が伸びなくても利益を改善させることはできます。

日本経済新聞によると、2025年3月期の東証プライム企業の売上高純利益率は6.4%となり、2008年の金融危機以後では最も高かったとされています。売上高純利益率とは、純利益を売上高で割って求められるものです。ちなみに製造業・非製造業の別で見ると、製造業のそれが5.5%、非製造業のそれが7.3%でした。

純利益率の向上は、生産性が向上していることの証であるのと同時に、投資家が投資先を選定するうえで注目する株価指標のひとつである、自己資本利益率(ROE)にも影響を与えます。

今後、売上高の伸びが期待できなくなったとしても、企業努力によって利益率の改善が見込まれれば、ROEの向上につながり、特にそれを投資判断の材料として重要視している、海外投資家の資金を呼び寄せるきっかけになります。それだけに今後、日本企業がどこまで利益率を改善させられるかが、株価の行方を見るうえで重要な指標になりそうです。