一本調子に上昇する「ゴールド・ファンド」
八十二銀行の売れ筋トップ10の中でパフォーマンスの面で群を抜いて秀でているのは「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」だ。金地金(きんじがね)価格への連動をめざす上場投資信託証券に投資を行い、実質的に金(ゴールド)の現物価格の値動きに連動する運用成績を目指している。2023年12月末を基準にすると、2025年7月22日にはプラス70%の水準にまで基準価額が上昇した。2024年1月以降は、2024年8月や2025年4月の株価急落時に多少は調整することがあったものの、基本的に下落知らずの右肩上がりで2025年7月を迎えている。金価格は2025年7月になって再び史上最高値をうかがう水準にまで値上がりしている。高値をつけては調整し、再び最高値を更新する強い動きは止まりそうにない。
また、米国NASDAQ市場に上場する大型100銘柄で構成された「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」も7月22日時点の基準価額は2023年12月末比でプラス40%を超えており、パフォーマンスの面では他のファンドと比較すると十分に優れた水準ではあるが、「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」と比較すると見劣りする。これは2025年3月から4月にかけた株価下落局面において「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」との間に格差ができてしまった結果だ。
「NASDAQ100」の構成銘柄はテクノロジー企業が多い。ファンドの上位組み入れ銘柄もエヌビディア、マイクロソフト、アップル、アマゾン、ブロードコムといった従来の市場けん引銘柄群だ。株価急落によって割高感は一定程度解消したとはいえ、再び2024年頃のような活躍を見せるのかどうか、ちょうど急落の落ち込みを埋めたところだけに、今後の展開が注目されるところだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩