米国株式ファンドの三者三様

足利銀行の売れ筋トップ10には米国株式ファンドが3本ランクインしていることが特徴の1つだ。それぞれに違う運用を行っているため、そのパフォーマンスは同じように米国株式を投資対象としていても特徴のある推移をみせている。

「フィデリティ・米国株式ファンド Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)」は、3本のファンドの中で、もっとも運用実績が良いファンドになっている。フィデリティの個別企業調査の結果、より高い成長性のある企業を発掘し、最も優れた企業を選定して投資することをめざしている。2025年6月末時点の組み入れ銘柄数は264銘柄と比較的多くの銘柄に分散投資している。2023年12月末を基準とすると2025年7月にはプラス55%を超えるリターンをあげている。

「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」は、アライアンス・バーンスタインの個別企業分析によって高い利益成長、また、持続的な利益成長が可能と目される企業を発掘し、ファンダメンタル分析を加えて優れて有望であると判断される銘柄に厳選して投資している。2025年6月末時点の組み入れ銘柄数は53銘柄だ。2023年12月末を基準とすると2025年7月にはプラス35%を超えるリターンをあげている。

「米国株式配当貴族(年4回決算型)」は、S&P 500指数の構成銘柄のうち25年以上連続で増配している銘柄を対象とし、均等加重により算出される「S&P500配当貴族指数」に連動することをめざす。構成銘柄は最低40銘柄で、2025年6月末時点では69銘柄を組み入れている。増配がテーマとなっているため成長も期待できるが、企業として成熟し、業績が安定していることが配当を継続する点ではポイントになるだろう。2023年12月末を基準とすると2025年7月にはプラス15%を超えるリターンにとどまり、リターンの水準は低くなっている。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩