世界的ゲーム会社、売上1兆円 IPビジネスを強化
任天堂は1889年に花札の製造で京都に創業しました。1947年に丸福として会社を設立(任天堂への変更は1963年)し、1983年に家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」で世界を席巻します。以来、ゲーム機器およびソフトウェアのメーカーとして世界トップクラスの地位を占めています。グループには、持分法適用会社として「ポケモン」関連の事業を手掛けるポケモン社を有します。
事業の中核はゲーム関連です。本体およびソフトの販売が収入の大部分を占めます。特に「ニンテンドースイッチ」の比重が大きく、25年3月期は連結売上高の9割が「スイッチ」関連でした。
ほかにIP(知的財産)を活用した事業も展開します。映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」といった映像コンテンツや、スマートフォンアプリなどが該当します。任天堂は、経営戦略として「任天堂IPに触れる人口の拡大」を掲げており、テーマパークや公式ストアなど幅広い領域でIPコンテンツの展開に積極的です。
【製品およびサービス別の売上高(2025年3月期)】
・ゲーム専用機(本体、ソフト):1兆835億円
・モバイル・IP関連:677億円
・その他:137億円
※モバイル・IP関連…映像コンテンツ収入、スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入
※その他…公式ストアでのグッズ販売、トランプなどの売上高
出所:任天堂 有価証券報告書
売り上げの多くは海外に由来します。25年3月期は全体の7割超が海外でした。主要市場は米国で、売り上げの36%を占めています。さらに15.76億米ドル(1ドル=140円で2206億円)の現預金を持つことから、業績は米ドルの影響が比較的強い傾向です。
【地域別売上高(2025年3月期)】
・日本:2749億円
・米大陸:5151億円
・うち米国:(4194億円)
・欧州:2857億円
・その他:892億円
出所:任天堂 有価証券報告書