来週の注目ポイント
最後に来週のポイントを見ていきましょう。米国では重要経済指標が目白押しで、特に6日の雇用統計に注目です。予想を上回れば、ドル買いになると思われますが、関税を巡る不透明感がドルの頭を抑えている状況は変わりません。上がっても146円程度までと予想します。一方、予想を下回れば、利下げの織り込みが高まり、少しドル安に向かうと思われます。ただ、パウエル議長が利下げを急がないスタンスを崩しておらず、今週底堅かった142円台では下げ渋るとみています。
少し気がかりなのが、ダラス地区連銀のウィークリーエコノミックインデックスです。週次単位で米国の景気を捕捉できる指標ですが、足元では若干の息切れ感がみられます。米国は政策金利が4%台とインフレ率よりも高く、実質金利がプラス圏のままです。この為、経済に対して一定のブレーキが掛かっている状況と言え、雇用統計もどちらかといえば予想を下回る可能性が高いとみています。
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著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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