「富裕層の高額品購入の決定率が悪くなっている」(南関東・百貨店)

例えば南関東の百貨店からは、「米国の関税政策に伴う金融市場の混乱もあり、金融資産を保有する富裕層の客が高額品を購入する際の決定率が悪くなっている」という声が聞かれた。また、北関東の一般小売店からは「物価高で、回せるお金が限られている客がかなり多い。電化製品は後回しというのが、現状ではないか」という報告があった。

一方で、近畿地方では大阪・関西万博の開催に伴う好影響も。食料品製造業からは「大阪・関西万博の開催に伴い、スーパーなどに立ち寄る外国人観光客が増え、立ち寄った店での飲料の購入が増えているため、売上はやや良くなっている」というコメントがあった。

4月の景気ウォッチャー調査結果からは、物価上昇の影響や米国の通商政策への懸念が消費者心理や企業の投資意欲に影響を与えている様子が伺えた。今後はこれらの要因がどのように推移していくかが焦点となる。また、大阪・関西万博のような大型イベントが地域経済にもたらす影響やインバウンド需要の回復の動向も注視すべき点となるだろう。

●気になる地域ごとの景気動向は? 中編「北海道・東北」景気の現状と先行きは? コメにほんろうされる日常生活、東北で高騰のあおり受ける危機的業種とは【2025年5月公表最新調査】にて詳報する。

調査概要 調査名:景気ウォッチャー調査(令和7年調査結果) 調査主体:内閣府 調査対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄2050人 実施期間:毎月25日~月末