【北関東】正社員希望で派遣求人減、設計・不動産業では価格高騰で計画遅れも

景気ウォッチャー調査では、関東は北関東(茨城、栃木、群馬)と南関東(埼玉、千葉、東京、神奈川)に分けられる。まずは北関東から見ていこう。

2025年5月12日に公表された北関東の4月の景気の現状判断DIは37.4と、前月差マイナス6.6。前月差で見ると全国12地域でワースト2だった。なお、全国平均の42.6と比較すると5.2低かった。

2025年4月景気の現状判断DI 

北関東37.4(前月差マイナス6.6)
全国42.6(同マイナス2.5)

家計と企業、そして雇用に関する景気の現状について北関東の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。

設計事務所「問い合わせはきているものの、価格高騰で予算が厳しく、計画が進められない」(家計動向関連…判断:□不変。コメントより抜粋、以下略)。

不動産業「年度末決算の速報では売上は横ばいで営業利益が半減。各種資材の値上げによる利益の圧迫と人件費増加で価格転嫁が依然として進まない」(企業動向関連…判断:×悪)。

人材派遣会社「安定した正社員への応募希望が多く、派遣求人数が減少したため、やや悪くなっている」(雇用関連…判断:▲やや悪)

●中編「北海道・東北」景気の現状と先行きは? コメにほんろうされる日常生活、東北で高騰のあおり受ける危機的業種とは【2025年5月公表最新調査】 

【北関東の景気の先行きは?】「良くなる要素ない」「変わらない」の声

北関東の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。4月の景気の先行き判断DIは38.3と、前月差マイナス6.1。なお、全国平均の42.7と比較すると4.4低い。

2025年4月景気の先行き判断DI 

北関東38.3(前月差マイナス6.1)
全国42.7(同マイナス2.5)

家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて北関東の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。

テーマパーク「米国の関税政策やガソリン、諸物価高騰等、マイナス要因が先行しており、良くなる状況下にない」(家計動向関連…判断:▲やや悪)。

建設業「現状、手持ち業務は少ないものの、発注見通しをみると、それなりの量があるようなので変わらない」(企業動向関連…判断:□不変)。

人材派遣会社「特段良くなる要素はなく、中小企業を中心に若手の求職者不足が続く」(雇用関連…判断:□不変)。

その他の特徴コメントとして、自動車関連のウォッチャーからは地元経済への懸念が聞かれた。

一般機械器具製造業「地元自動車メーカーが大幅な減産を計画しており、地域経済は厳しい状況になる」(判断:×悪)

現状・先行き判断DI(北関東)の推移(季節調整値)図表
出所:内閣府