前月差プラス2.6で回復も、コメの次は肉? 値動き注視
九州の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。5月の景気の先行き判断DIは46.2、前月差2.6のプラスだった。なお、全国の44.8と比較すると1.4上回る。
2025年5月景気の先行き判断DI
九州46.2(前月差プラス2.6)
全国44.8(同プラス2.1)
家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて九州の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
観光型ホテル「物価高騰等で消費は減少傾向ではあるが、夏休みの時期に入るためトータルでは横ばいを見込んでいる」(家計動向関連…判断:□不変)
農林水産業「鶏肉の相場は過去になく高騰を維持しており、年内もこの状況が続くと予想され、米国の関税や鳥インフルエンザの影響がその原因とされる。梅雨時期は期待できないが、今年の夏は暑い予想であるため、ビールの消費に合わせた焼き鳥などの商材が伸びると期待している」(企業動向関連…判断:□不変)
職業安定所「新規求人数は前年比では増加しているが、就職件数は前年を下回り人手不足に変化はないと予測。また、景気上昇の要因が見受けられない状況でもあり、今後景気は横ばい」(雇用関連…判断:□不変)
その他の特徴コメントとして、景気は「やや良好」「やや悪化」という見通しも聞かれた。
輸送用機械器具製造業「関税問題はあるが現時点では生産数への影響はあまりみられず、3カ月内示から見ても計画台数に対し上振れ傾向で推移している」(○やや良)
一般小売店[精肉]「商品の仕入価格が高騰しており、適正に価格転嫁ができなければ粗利益が減少すると予測。また、適正に価格転嫁ができたとしても、一定数の取引量は減少すると見込まれる」(▲やや悪)
●前編「【九州の景気の現状は?】前月差プラス1.9も 物価高がもたらす意外な業種、働き方に変化も?「2025年6月公表最新調査」」