iDeCoの運用商品を切り替える「スイッチング」は、資産配分の調整に有効な手段である。
しかし、安易に繰り返し行うと、長期投資の最大の武器である「複利効果」に影響がでる恐れがある。また、短期的な相場変動に翻弄されて売買を繰り返せば、積立投資の強みであるも失われかねない。
そこで今回は、スイッチングの特性を正しく理解し、慎重に判断するためのポイントを解説する。
●中編:『「別の商品に切り替え」どんな効果がある?iDeCoでスイッチングをするメリットとは』
スイッチングのデメリットは?
スイッチングには回数制限がないため何度でも可能。しかし、やりすぎると損につながる可能性もあるので注意が必要だ。
これは頻繁なスイッチングが長期投資ならではの魅力である「複利の効果」を損なう可能性があるからだ。複利効果とは、運用で得られた利益を引き出して使わずに再投資して、元本と一緒に運用を継続することで、利益が利益を生み、資産が増えていくこと。複利効果は、運用期間が長くなるほど大きくなる傾向があるが、頻繁なスイッチングはこの流れを途中で断ち切ってしまい、効果が損なわれる恐れがある。
またスイッチングにより売却した運用商品がその後もどんどん上がって「もっと待てばよかった」と後悔することも。逆に購入した運用商品がどんどん下がって同様に悔やむこともあるかもしれない。せっかく長期にわたり定期的に積み立てることで購入価格を平均化してきたのに、頻繁に別の商品に切り替えては短期的な相場の影響を受けやすくなってしまう。
購入した運用商品の成績が奮わない場合、別の運用商品のほうが魅力的に見えてスイッチングが頭をよぎることもあるだろう。しかし価格が下がっているときは「同じ積立額でもたくさん購入できるチャンス」と捉えることもできる。
そもそも運用商品を定期的に一定金額で購入していくのが積立投資。価格変動がある運用商品の場合、価格が高い時は購入数量が少なくなり、低い時は多くなるため、単純な平均に比べて実際の購入価格の平均をより安く抑えられるとされる。これを「ドルコスト平均法」という。せっかくのチャンスをつぶしてしまうことがないよう、スイッチングは慎重に行おう。
スイッチングはリバランスに役立つが…
iDeCoで資産バランスを調整したいときや運用方針を変更したいときにスイッチングは役に立つ。いつでも何度でもできるが、前述のとおり頻繁に行いすぎることで、逆にお金を増やすチャンスを逃してしまうケースもあるので注意してほしい。
iDeCoの資産は長期にわたってじっくりコツコツと育てていくもの。スイッチングは短期的な値動きだけを見て焦って行うのではなく、慎重に計画的に実行するようにしよう。
