景気ウォッチャー調査とは「景気に敏感な現場の声」
景気の現場の声を集める「景気ウォッチャー調査」の最新版となる2025年4月結果が5月12日に発表された。景気の現状判断DI(季節調整値)は42.6と前月から2.5ポイント低下し、4カ月連続で悪化。先行き判断DIも42.7と2.5ポイント低下し、景気回復の足取りには弱さが見られる。
内閣府が毎月実施している景気ウォッチャー調査は、地域の景気動向を迅速に把握することを目的としている。タクシー運転手、小売店主、製造業の営業担当者など、日々の経済活動の現場で働く全国の約2000人を「景気ウォッチャー」として選定し、彼らの景気に対する見方を数値化する。
調査では、景気の現状(3カ月前との比較)と今後(2〜3カ月先の見通し)について、5段階「良」「やや良」「不変」「やや悪」「悪」で質問する。景気ウォッチャーの判断について、その理由や具体的なエピソードも聞いていることが特徴だ。
5段階の回答にそれぞれ0〜1点(0.25点刻み)の点数を与え、各回答の割合に乗じてDI(ディフュージョン・インデックス)を算出する。DIが50を上回ると景気の改善、50を下回ると悪化を示す。
【4月の景気ウォッチャー調査結果】景気回復に弱さ
4月の現状判断DIは家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべての分野で低下した。ただ、家計動向関連のうち、飲食関連は42.1と0.5ポイント上昇し、わずかながら明るい兆しも見られる。
また、2〜3カ月先の景気見通しを示す先行き判断DIも家計、企業、雇用のすべての分野で低下しており、景気の先行きに対する懸念が広がっていることがうかがえる。
なお内閣府では、4月の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方のまとめとして、「景気はこのところ回復に弱さがみられる。先行きについては賃上げへの期待がある一方、従前からみられる価格上昇の影響に加え、米国の通商政策の影響への懸念が強まっている」と示している。
続いて景気ウォッチャーたちの生の声を聞いてみよう。具体的なコメントからは、物価上昇の影響やトランプ関税政策への懸念が強まっていることが分かった。