データではNISA優位でも「何となく」納得できない
とはいえ、夏のボーナスまでにはまだ時間があることから、我が家のNISA増額か住宅ローンの繰り上げ返済か問題は当面、棚上げされたままでした。そんな中で先月近距離の出張があり、早めに仕事が終わったので帰りに同期と飲んだ時、まさにその話になったのです。
金利が上がってきていることもあり、NISAへの投資を増やすか、その分を繰り上げ返済に回すかは、住宅ローンを抱えるNISA民の重要関心事になっているようです。
同期はSE出身で、データを重視するタイプです。聞けば、同期がNISAに投資する上で参考にしている投資系動画チャンネルの管理者が、今後住宅ローン金利が2%上昇する、NISA口座での運用成績が5%という前提でこの先10年でどちらが得かを比較したところ、NISAの圧勝だった模様です。
同期自身もエクセルでいろいろ数字を入れ替えてみたそうですが、「市場がド~ンと落ち込んでNISAがマイナスにでもならない限り、NISAの圧倒的優位は揺るがない」とのことでした。
それはそうなのでしょう。この先金利が上がるといっても、米国のように4~5%までの水準になるとは到底思えません。一方で、NISAを始めて1年間の運用状況を見ても、10年間で年平均5%程度の利益目標は余裕でクリアしそうです。
「それでも何となく割り切れないんだよなぁ」とぶつぶつ言っていると、同期から「NISAでお金に働いてもらうことが将来の生活基盤の安定につながるんだよ。お前、『何となく』とか情報弱者みたいなこと言うなよ」とあきれられました。
勤務先のファイナンシャルプランナー(FP)相談を利用してみようと思ったのは、その「何となく」がきっかけでした。私は私なりにいろいろな状況を見極めて判断しようとしているのに、データを信じないから情報弱者扱いされるのは納得がいかなかったからです。
福利厚生の無料相談ですから正直それほど期待はしていませんでした。しかし、そこで出会った平野さんからのアドバイスは、私の想像の斜め上を行くものでした。
●FPからのアドバイスで、田部井さんが気づいた「データでは見えない大切なこと」とは? 後編【「目一杯投資に行かないのはバカ」と言われても…30代会社員が 「NISA全力投資」の同調圧力に負けず最適解を選べたワケ】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。