◆復調する「インド株ファンド」、背景に堅調な企業業績
代表的なインド株アクティブファンドである「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」が売れ筋ランキングの第3位に上がってきた。インドの株式市場は「SENSEX30」インデックスが2024年9月26日に85836.12ポイントの高値をつけて以来、株価が下落し、2025年3月4日には72989.93ポイント(高値比14.97%安)の安値を付けた。この背景には、インフレを警戒したインド中央銀行の金融引き締め政策があり、株価の上昇によって株価指標が割高な水準に達していたことに対するスピード調整という見方があった。
3月4日以降に株価は徐々に戻り歩調となっている。3月末には77414.92ポイントとなり、4月末は80242.24ポイントと80000ポイントの大台を回復し、4月は月間で4%の上昇になった。この背景にあるのが、インド中央銀行の金融政策の転換だ。2025年2月に利下げに転じた後、4月の政策決定会合での政策金利を0.25%引き下げて6.00%とするとともに、政策スタンスを「中立」から「緩和的」に変更し、景気刺激策をとる姿勢を明確にした。5月12日には「SENSEX30」は82429.90ポイントにまで上昇し、2024年9月の史上最高値をめざすような動きをみせている。
株価が低迷している間でもインド企業の業績は堅調に推移し、2ケタのEPS(1株当たり利益)成長率をキープしてきた。株価が大きく下押さなかったのは、堅調な企業業績が背景にあるためと考えられる。緩和的な金融政策というインド企業にとっての追い風を受けて、株価がどこまで上昇するのか注目していきたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩