為替相場の振り返り
改めて為替相場を振り返ります。25年1月末を100としてドル指数の対象である6通貨がドルに対してどう動いたかを指数化し、グラフにまとめました。

4月21日週の段階では日本円はドルに対して上昇していました。ただ、上昇率はスウェーデン・クローナ、スイスフラン、ユーロに次ぐ4番目と相対的に見ればそれほど強かったわけではありません。
そして4月28日週に日銀会合後の円安を受けてポンドにも抜かれ、5番目になりました。2月以降、主にドル安をメインドライバーとして、ドル円相場は140円割れまでドル安円高が進みましたが、他通貨を含めて相対的にみると、決して円高にはなっていません。実際、1月末と比べると、スウェーデン・クローナ円、スイス円、ユーロ円、そしてポンド円で円安が進んだことになります。
かねてお伝えしてきた通り、円安の最大の要因は名目上の金利からインフレ率を差し引いた実質金利が大幅なマイナス圏にあることです。
そして、日銀会合では利上げについて相当慎重なスタンスが示されました。つまり円の弱点が温存されることになります。加えて投機筋の円ロングは高水準なままです。ここから円ロングの取り崩しが進めば円安圧力となります。今後も円高方向の動きは定着しにくい状況が続いていくと思われます。