株価は持ち直した一方で、米国国債は売られた…

しかし、株価が多少なりとも持ち直した裏側で、下げ続けた資産もありました。米国国債です。

米国国債のような固定金利型の債券は、利回りが上昇すると債券価格が下落、利回りが低下すると債券価格が上昇します。

米国の長期金利を代表する、10年物米国国債の利回りは、前述したように4月4日にかけて3.999%まで低下(債券価格は上昇)していましたが、同月11日には4.438%まで上昇しました。つまり米国国債が大きく売られたのです。

米国国債は、世界で最も信用のある債券であり、米国の信用の証でもあります。その米国国債の利回りが、4月4日から11日までの6営業日で、0.439%も上昇するのは異例です。加えて米ドル/円も、この間に1米ドル=146円90銭から142円84銭まで、米ドル安が進みました。

株価が若干持ち直したなかで、債券市場や外国為替市場では米国売りが加速していたのです。トランプ大統領が懸念したのは、株価下落よりも米国国債の下落ではないかと推察されます。